私たちの製造現場は、全てを機械で自動化しているわけではなく、一人一人の経験と技術が問われる場でもあります。
私たちが追及するのは、お客様の指定した納期を守り、常に安定した製品を供給すること。
安定とは粘度、濃度、粒径など様々な規格を常に高い水準でクリアし、品質を保ち続けることです。
近年は、導電性能など様々な効果を持つ機能性インキが増え、データもレシピも多様化しています。
色みだけではない様々な要素が掛け合わさり、専門性や技術力が問われる場面はますます増えています。
先輩方から受け継いできた技術を守りながら、今、私たちが力を入れているのは、工場の改善活動です。
外部からコンサルタントを招き、レイアウトや仕事の進め方などの生産の効率化に加え、意識面の改革も進めています。
コンサルタントは、例えば「機械を半分止める」、「道具を使わない」など様々な無理難題を私たちに課し、その追い込まれた状態で考えさせ、アイデアを出させます。
当初は慣れたやり方を見直すことに戸惑いもありましたが、次第に、「これは最善の方法だろうか」と考える習慣が根付いてきました。
短納期や少量多種生産など困難な注文も年々増えています。
かつては「無理です」と即答したかもしれない事案でも、今は「どうすればできるか」とまず考えるようになりました。
製造とは、営業や開発といった攻めの部署とは違う守りの部署です。
でも、守りには守りの矜持があります。
技術や経験という土台の上に困難を厭わない意識を育み、お客様の要求水準をしっかりと満たす鉄壁の守備体制を、これからも私たちは追及し続けます。