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品質の決め手はゴッドハンド

レシピに基づいて製造の計画を立て、決められた分量の素材を調合し、混ぜ、ロールという機械で練りこみ、さらに混ぜれば出来上がりです。一見、単純な工程に見えるかもしれませんが、まったく違います。工場では、製造機械やコンピューターによる詳細な数値管理も導入していますが、最後の最後に品質を左右するのは昔ながらの熟練の技です。機械を操り、微妙な圧力を加減する手つきは、まるで神の手のよう。半世紀以上、脈々と受け継いできたこの技術を、私たちは次の半世紀につなげていきます。

私たちの製造現場は、全てを機械で自動化しているわけではなく、一人一人の経験と技術が問われる場でもあります。

私たちが追及するのは、お客様の指定した納期を守り、常に安定した製品を供給すること。

安定とは粘度、濃度、粒径など様々な規格を常に高い水準でクリアし、品質を保ち続けることです。

近年は、導電性能など様々な効果を持つ機能性インキが増え、データもレシピも多様化しています。

色みだけではない様々な要素が掛け合わさり、専門性や技術力が問われる場面はますます増えています。

先輩方から受け継いできた技術を守りながら、今、私たちが力を入れているのは、工場の改善活動です。

外部からコンサルタントを招き、レイアウトや仕事の進め方などの生産の効率化に加え、意識面の改革も進めています。

コンサルタントは、例えば「機械を半分止める」、「道具を使わない」など様々な無理難題を私たちに課し、その追い込まれた状態で考えさせ、アイデアを出させます。

当初は慣れたやり方を見直すことに戸惑いもありましたが、次第に、「これは最善の方法だろうか」と考える習慣が根付いてきました。

短納期や少量多種生産など困難な注文も年々増えています。

かつては「無理です」と即答したかもしれない事案でも、今は「どうすればできるか」とまず考えるようになりました。

製造とは、営業や開発といった攻めの部署とは違う守りの部署です。

でも、守りには守りの矜持があります。

技術や経験という土台の上に困難を厭わない意識を育み、お客様の要求水準をしっかりと満たす鉄壁の守備体制を、これからも私たちは追及し続けます。