「黄色」、「赤」など何気なく使う色の名前。
でも私たちは、決してそのような言い方はしません。
「赤」でも黄色方向にある赤、青方向にある赤とグラデーションは多彩で、その組み合わせで色は無限に広がります。
そして、限りなく少ない色の組み合わせで望む色を作り出すのがプロの調色の仕事。
色みだけではなく、精度や再現性の高さも重要だからです。
ロングセラーの製品になればなるほど、インキも何度も増産します。
限りなく少ない色の組み合わせであれば、ぶれも少なく、安定して長く同じ色を出し続けることができるのです。
また、色は自然の鉱物からできる顔料を元に作るので、同じ配合でも全く同じ色が出るとは限りません。
細かく数値を管理し、安定的に再現できる仕組みも確立していますが、最後の最後に信じるのは自分の目。
人の目がとらえる微妙な違いを補正し、必ず同じ色を出すことも、私たちが誇る技の一つです。
今、ものづくりの現場では過剰な在庫を持たず、需要に合わせて柔軟に製品を投入する傾向が強まっています。
私たちの元へも、通常より短い納期でのご要望が増えてきました。
そんなとき私たちは技術と経験を結実させ、思いがけないほどの力を発揮して可能な限り対応します。
色合わせで決して妥協しないのが、半世紀以上にわたる十条ケミカルの伝統です。
でも今はそれだけではなく、対応力や人間力も含めた総合力で勝負する時代になりました。
私たちは「十条に頼めば何とかしてくれる」、さらには「この人に頼めば何とかしてくれる」と思われるようなプロ集団でありたいと願い、受け継いできた技を今日も磨いています。