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私たちが提供している多種多様な製品が、お客様のものづくりのシーンで、
よりその真価を発揮できるように、
私たちがこれまで培ってきた実績に基づく様々な情報を発信していきます。
材質や技術の進化に伴い、私たちの製品も進化と発展を続けてきました。
これまでの歩みのなかで得た知見やデータは、きっと皆さまのお役に立てるものでしょう。

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Q10. UVインキのトラブル対策

JA-2帯電防止剤(特製品)をインキに2%程度添加して下さい。

これにより、静電気による埃の付着が防止できます。

尚、JA-2帯電防止剤(特製品)は、在庫を常備しておりません。

ご使用に際しては、弊社営業部までお問い合わせ下さい。

成形品の表面が粗いシボ状になっている場合には、凹部に印刷されたインキ層が厚くなり、この部分のインキをUV硬化させるのには、他の部分よりも多くのエネルギーを必要とします。

この為エネルギーが不足している場合に、今回のように点状剥離することがあります。

硬化条件を向上させればこのトラブルは解決できます。

またメジウムやマットクリアーをインキに対し約20%添加してインキの濃度を下げる方法も効果がありますので、お試し下さい。

インキにレベリング剤JAR-21を1〜2%加えて印刷することにより、はじきは著しく少なくなります。

はじきと似た外観不良トラブルとして、発泡が消えた後のレベリング不良がありますが、JAR-21はレベリング不良にも効果があります。

また印刷後UV照射をする前にプレヒート(予備加熱)を行なえば、レベリング性は更に良くなります。

尚、JAR-21を添加してもはじきが消えない場合には、素材の処理が十分でないか、処理後長時間経過したため処理が失効している可能性がありますので、再処理を行う等の対策を施して下さい。

インキの硬化が不充分であるために物性が低下している可能性があります。

インキにメジウムを10%程度添加しインキ濃度を下げれば、硬化性が改善され物性も向上します。

尚、インキ濃度を下げたくない場合には、硬化促進剤JAR-8 を2〜3%加えて印刷して下さい。

レイキュアーVX 4700シリーズは柔軟性の良好な硬化皮膜を形成するインキです。

その為、皮膜の硬いインキに比べると耐アルコール性等の物性が低下しています。

対策としてはインキを硬化皮膜が硬いレイキュアーGA 4100シリーズに変更して下さい。

更に膜を硬くして耐アルコール性を向上させる方法としては、JAR-1メジウムの添加をお勧めします。
(10〜20%程度)

尚、膜が硬くなった代わりに、インキの接着力が低下することがありますので、注意が必要です。

溶剤型インキの乾燥不良がトラブルの原因と考えられます。

一般に、溶剤型インキが十分に乾燥していれば、はじきを発生させることはありません。

尚、UVクリアーインキが透明メジウムなどのノンシリコンタイプの場合には、溶剤型インキも9100PLシリーズ PETインキなどのノンシリコンタイプを使用する必要があります。

シリコンタイプのインキの上にノンシリコンタイプのインキを印刷するとはじきが発生しますので、ご注意下さい。

FG-30厚盛クリアーは、FG-20厚盛クリアーよりも高粘度でダレにくいタイプのインキです。

しかし印刷膜厚、印刷パターン、印刷時の温度などの条件によってはダレる事があります。

この様な場合には添加剤JAR-22を2%程度添加し印刷して下さい。

UVインキの保管場所としては、乾燥機の近くや直射日光が当たる所、また真夏にエアコンのない部屋など、インキに熱がかかる場所は適切ではありません。

例えば、インキボトルに触れたときに温かさを感じるのは危険信号です。

すぐに保管場所を変更する必要があります。

UVインキは、直射日光を避け冷暗所に貯蔵して下さい。

この条件で貯蔵した場合の品質保証期間の目安は、製造後2年です。

しかし30℃を超える様な場所での貯蔵はインキのゲル化や増粘の原因となります。

又一度使用したインキは貯蔵安定性が低下していますので、容器に戻すことは避けて下さい。

JAR-14流動調整剤(添加量1-2%)が効果がありますので、お試し下さい。

PEボトルへの印刷では、弊社PEP-Z(HV)シリーズが最も実績があり、十分な接着性と耐水性が得られます。

更に耐水性等の物性を向上させるには、JAR-18添加剤(添加量1-3%) を併用して下さい。

部分的に剥離するのは、一般には表面処理が均一に行われていないためのトラブルです。

均一な処理が出来る様に、処理条件を調整してください。

また被印刷物の表面に凹凸があると、凹部分のインキが膜厚になるために硬化性が低下し、部分的な剥離が起こる事があります。

UVインキの調色シルバーが、アルミペーストJAグレードを使用して調色しているのであれば、調色安定性は問題ないはずです。

増粘の原因は、アルミの粒径に比べて刷版のメッシュが細かすぎるために目詰まりが発生し、版上のインキ中のアルミ比率が上がったことだと思われます。

刷版の低メッシュ化をご検討下さい。

アルミの沈降は比重の問題なので、使用前に良く撹拌して下さい。

またインキにマットクリアーなどを添加してチキソ性を付与することにより、アルミの沈降を防止できます。

但し、仕上がりが若干変化しますのでご注意下さい。

黒色の素材は光を反射しないため、インキの硬化不良により接着性が低下したものと思われます。

インキにメジウムを添加して濃度を下げれば、硬化性は改良されます。

ただし色の変化が目立たない様に注意して下さい。

またJAR-8硬化促進剤、JAR-17接着向上剤等を併用すれば、硬化性・接着性が更に改良されます。

4300FG-20厚盛クリアーにJAR-1メジウムを3〜5%程度添加することにより、皮膜が硬くなり、耐ブロッキング性が向上します。

ただし過剰に添加すると、皮膜が硬くなり過ぎて折り曲げに弱くなりますので、ご注意下さい。

レイキュアーSL 6100シリーズは、柔軟性の良い皮膜を形成する後加工性の優れたUVインキです。

その為硬い皮膜を形成するインキに比べると、耐アルコール性が低下しています。

対策としては、インキにJAR-1メジウムを10%程度添加して下さい。

硬化皮膜が硬くなり、耐アルコール性が向上します。

ただし過剰に添加すると皮膜が硬くなり過ぎて後加工性が低下しますので、ご注意下さい。

レイキュアーOP 4300シリーズ メジウムにFG-4厚盛クリアーを混合すれば、柔軟性がアップします。
混合比率は任意ですが、メジウム:FG-4 = 5:1の混合で良好な結果が得られたケースがありますので、お試し下さい。

なお柔軟性の良好な皮膜は耐ブロッキング性の点では不利ですので、ご注意下さい。

  • 生地:アート紙(印刷面はマットPPラミ上)
  • インキ:OP4300 FG-20 厚盛クリアー
  • 印刷:シリンダープレス(1200回転)
  • 光量:約170mJ/cm2
  • 印刷膜厚:25〜35μm

ブロッキングとはインキ皮膜面と重なり合う材質面との間に圧力が加わった時に、インキ皮膜の一部分が材質面へ粘着(又は接着)してしまう現象です。

これを無理に引き離そうとした時にその粘着(接着)力が強い場合には材質の一部分が破壊され、インキ皮膜上に移行してきます。

粘着(接着)力が同等であっても材質破壊が起こらなければ、音がする程度でインキ皮膜面と材質表面からの引き離しは可能です。

UVインキのブロッキングに関しては、一般的に下記の様な発生要因が考えられます。

発生要因発生傾向
インキ皮膜の硬化度合硬化時の光量が低いほど発生しやすくなります
重ねる材質表面の影響光沢のある材質ほど発生しやすくなります
重ねる時のインキ皮膜温度硬化直後に積み重ねた場合、硬化時の反応熱が内部に蓄積し、ブロッキングが発生しやすくなります
インキ皮膜面に掛かる荷重cm2当たりの荷重が大きいほど発生しやすくなります。
積み重ねる材質面中の印刷場所によっても荷重は変化します
印刷膜厚厚いほど発生しやすくなります
荷重時の環境温度、湿度とも高いほど発生しやすくなります
荷重期間長いほど発生しやすくなります

ブロッキングに関しては種々の要因が複合して発生している場合が多く、原因を特定できないケースが少なくありません。

また長時間経過しないと結果が判明しないので、事前の試験を困難にしているのが現状です。

しかし上記各要因につきましては、なるべく安全な方向でご検討下さい。