Q09. インキの一般的なトラブル対策
技術資料「ピンホールの発生原因と対策」をご参照下さい。
白インキに使用している顔料(チタン白、酸化チタン)の性質によるものです。
チタン白を使用した白色または淡彩色のインキ皮膜は、屋外に暴露されると紫外線の作用により白亜化現象(チョーキング)を起こし、光沢が低下することがあります。
詳しくは、技術資料「白インキのチョーキング現象」をご参照下さい。
技術資料「パッド印刷のトラブルと対策」をご参照下さい。
またパッド用インキの詳細については「パッド印刷用インキ」に記載してあります。
07高濃度白は顔料分を多く含んだインキのため、乾燥皮膜の表面に顔料が露出しています。
この顔料は硬いために印刷表面がヤスリのような状態になっており、ここで赤や黒などの濃色インキ皮膜がこすられると色移りすることがあります。
対策としては、印刷面へのオーバーコートや合紙の使用をお勧めします。
藍とグリーンは透明性の良い顔料を使用した原色インキであることが原因です。
隠蔽性のある色は印刷膜厚が不均一であっても色むらになりにくいのですが、透明性の良い色は色むらが目立ちます。
対策としては、原色に白を少し加えて印刷して下さい。
この場合、色むらは改良されますが、色相は少しくすみますのでご注意下さい。
白を加えられない場合には、膜厚が一定でかつレベリングの良い印刷が出来るように、各種条件を整える必要があります。
これらのトラブルは、インキの流動性を調整することによって解決できます。
溶剤型インキにはJA-141遅乾コンパンドを、またUV型インキにはマットクリアーや添加剤JAR-22を添加し、流動性を調整して下さい。
一般的には、溶解性の低いアルコール系溶剤や芳香族系溶剤を使えばクラックは発生しないはずです。
しかし弊社技術部における過去の試験結果で、転写箔の中には溶解性の低い溶剤を使用したインキでクラックが発生するが、溶解性の強いエステル系溶剤を使用したインキ(100シリーズ スーパーグロス、600シリーズ VACカラー、等)ではクラックを発生させない箔があることがわかっています。
これらエステル系溶剤を使用したインキをテストされるようお勧めします。
技術資料「防水ナイロン布に対するNSPインキの印刷について」をご参照下さい。
一般に濃度ムラの発生する原因としては、被印刷物の表面にわずかな凹凸がある場合、刷版の問題、スキージ圧が不均一である場合など色々な原因がありますので、これらの点をチェックして下さい。
またインキを過剰に希釈するとはじきが発生し、これが濃度ムラを目立たせることがありますので、ご注意下さい。