- 特殊用途向
再帰反射とは
再帰反射とは、光学上特殊な反射機構で、入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象を指します。
入射角と反射角が等しくなる鏡などの反射とは異なり、受けた光をそのまま光源にはね返します。
再帰反射インキは、再帰反射により光源方向からの視認性を高めたもので、蓄光インキのように物体自身が光を発するものではなく、また蛍光インキの様に光によって励起されて蛍光を発するものとも異なります。
構造的にはレンズとして作用する微小な高屈折ガラスビーズが反射材として一定の効果を満たすように、インキ中に均一に多数配置されています。
ガラスビーズの一つ一つは、真円球で一種の凸レンズとして作用します。
入射した光はガラス体を通り屈折して一点に焦点を結びますが、球体底部で反射し、再びガラス体を通ってもとの光源方向に帰されます。
すると、まるで印刷部分自体が光源体のように明るく浮かび上がります。
更に再帰反射インキでは、インキ成分中の顔料の配合割合によって様々な色を表現できますので、暗い所でライトを当てると印刷部分の色が鮮やかに浮かび上がります。
鏡の反射は、入射角と反射角が等しくなりますが(図左)、再帰反射ではどの角度から光が入ってきても光源に向かって反射します(図右)。