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私たちが提供している多種多様な製品が、お客様のものづくりのシーンで、
よりその真価を発揮できるように、
私たちがこれまで培ってきた実績に基づく様々な情報を発信していきます。
材質や技術の進化に伴い、私たちの製品も進化と発展を続けてきました。
これまでの歩みのなかで得た知見やデータは、きっと皆さまのお役に立てるものでしょう。

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  • 材質

防水ナイロン布への印刷

防水ナイロン布にNSPインキを印刷する際には、次のような事項に注意する必要があります。

ナイロン布の撥水性とインキの接着

ナイロン布の撥水処理は年々進歩しており、インキを接着させる事がむずかしくなっています。

ナイロン布の撥水処理の程度はみた目では全く判別できません。

そこで撥水処理の程度を調べる方法として、ぬれ指数液を使用する方法があります。

これは基本的にはポリエチレン、ポリプロ ピレンのぬれを測定するための方法ですが、防水ナイロン布に対しても応用ができます。

このぬれ指数液を使って防水ナイロン布の撥水性 (ぬれ指数)とインキの接着性の関係を調べると次の様になります。

ぬれ指数(µN/cm)[1]接着性
410以上◎接着しやすい
380〜400○実用的には問題の無い接着
350〜370△接着がむずかしい
340以下×接着が極めてむずかしい
  1. 10µN/cm = 1dyn/cm

撥水性は、ぬれ指数の数値が低いほど強くなります。

  • 接着性が◎のレベルであれば、NSPインキをそのまま印刷しても接着します。
  • ○のレベルでは、ほとんどの場合そのままでも接着しますが、生地によっては接着しにくいものもあります。
  • △のレベルでは、そのままの印刷 では接着がむずかしくなります。
    硬化剤を添加するか、メジウム(硬化剤添加)をアンダーコートすれば接着が可能です。
  • ×の場合は接着が 極めてむずかしく、メジウム(硬化剤添加)をアンダーコートする方法であれば接着する場合があります。

硬化剤の使い方

NSPは硬化剤を併用する事で接着性を向上させる事ができます。

使い方には次の2種類の方法があります。

  1. インキに直接添加する。
  2. メジウムに添加してアンダーコートとする。

接着性は 2. が優れます。

防水処理が強い生地(上表の×〜△)には 2. の方法で印刷を行うのが最適です。

硬化剤には次の3種類があります。

品名可使時間特徴
JA-960短い
4〜5時間
室温乾燥でも接着性が高い。
インキ皮膜が硬くなる。
屋外に放置した場合黄変する。
添加量は5〜10%
JA-950長い
7〜8時間
可使時間は長いが、室温乾燥の場合硬化するまで時間がかかる。
皮膜はJA-960より 若干柔らかい。
添加量は5〜10%
JA-940長い
7〜8時間
インキ皮膜が柔軟になる。
JA-950同様硬化するまで時間がかかる。
添加量は5〜10%

各硬化剤をインキに添加したときの皮膜の性質をまとめると次のようになります。

1) インキに直接添加する場合

一般のナイロンバックなどに使用される厚手の生地の場合は、JA-960を使用し添加量は10%以下として下さい。

添加量が多いとインキ皮膜が脆くなりすぎますので揉みに弱くなります。

厚手の生地でも柔軟性のあるものには、JA-950、JA-940を使用して下さい。

薄手の生地では、 インキ皮膜が柔らかくなるJA-940が適当です。

2) メジウムに添加してアンダーコートとする場合

メジウムは柔軟性に富んでいるため、硬化剤はJA-960が最も適しています。

さらに柔軟性が必要な場合は、JA-950を使用して下さい。

特別に柔軟性が要求される特殊な場合を除いて、JA-940を使う必要はありません。

乾燥条件

NSPインキは、蒸発乾燥型のインキですから室温乾燥で十分乾燥します。

しかし、もし加熱乾燥が可能であれば、加熱した方がインキの揉み強度が強くなります。

硬化剤を使用した場合は、加熱乾燥すると特に接着性が向上します。

注意事項

  • ぬれ指数液はプラスチックのような平滑な表面のぬれを測定する物で、ナイロン布の様な凸凹の表面では正確なぬれは測定できません。
    ぬれ指数液を使用する場合は、あくまで接着の目安として使って下さい。
  • 衣類関係(ジャンパー、ウインドブレーカー等)は、特に撥水処理が強くなっているためスクリーン印刷では対応できない場合が多くなっています。
    印刷を行う場合は、接着性を十分確認してから行って下さい。
    尚、NSPインキは耐洗濯性、耐ドライクリーニング性を考慮していません。