ポリエステルフィルムを使用したメンブレンスイッチの印刷用のマット型インキで、主に裏刷りで使用されます。
また、PETインキ 9000シリーズでは、フランス鉱物油規制やPFAS規制に該当する成分を含有しておりましたが、PET(MOF)インキ 9000シリーズではこれらの規制に対応しています。

製品の特長

• ポリエステルフィルムへの接着力と印刷作業性に優れています。
• 印刷作業性が非常に優れ、細かい印刷が可能です。
• 高濃度印刷が可能で、高速印刷における作業性に優れています。
• 強力な接着力を有し、印刷皮膜も柔軟で後加工適性が良好です。
• 耐油性、耐ガソリン性、耐アルコール性、耐薬品性が良好で耐候性も優れています。
• 調色安定性が非常に優れています。
• フラットマットな仕上がりで、耐スクラッチ性が良好です。
• フランス鉱物油規制、PFAS規制に対応しています。

使用条件

希釈溶剤	テトロン（MOF）溶剤 （速乾、標準、遅乾）
	PETリターダー
添加剤[1]	JA-970 10%[2] （速反応、難黄変タイプ）
	JA-950 10%[3] （遅反応、無黄変タイプ）
	JA-940 10%[4] （遅反応、無黄変タイプ）
消泡剤	JA-200
刷版	250～300メッシュ
版の洗浄	ビニール洗用溶剤
被印刷基材	未処理PETフィルム、処理PETフィルムなど
指触乾燥	50℃温風乾燥、約80秒
	80℃温風乾燥、約40秒
	80℃BOX乾燥機（温風循環）、5分
完全乾燥条件	120℃遠赤外乾燥、約90秒
	90℃BOX乾燥機（温風循環）、30分

1. PET（MOF）インキは蒸発乾燥型インキのため一液で使用可能ですが、接着性と皮膜物性を向上させる場合には硬化剤を添加して下さい。
   ただし、インキに可使用時間（ポットライフ）が生じます。
2. 通常の用途ではJA-970の使用をお薦めします。
   接着性、耐薬品性が向上します。
3. 耐光（候）性や後加工適性が必要な用途ではJA-950の使用をお薦めします。
4. インキ皮膜が硬く、後加工性が劣る場合にはJA-940の使用をお薦めします。
   JA-940を併用することで、インキ皮膜の柔軟性が向上します。

使用上の注意

• PET（MOF）インキは目詰まりがし難いように乾燥性を遅く設計してありますので、必ず加熱乾燥を行って下さい。
• 重ね刷り回数が多い場合には、標準の乾燥時間では乾燥が不十分になることがあります。このような場合には、乾燥時間を更に長く設定して下さい。
• PET（MOF）インキには、半光沢型の「9100PLシリーズ PET（MOF）インキ」があります。
• PET（MOF）インキ9000シリーズは、PETインキ 9000シリーズとは溶剤組成の一部が異なり、フランス鉱物油規制に対応した溶剤組成となっております。
  また、PFASに該当する添加剤も変更しております。
  それ以外の組成（ベース樹脂、添加剤、顔料等）は同一ですので、インキ性能に大きな差はございませんが、通常タイプからMOFへ切り替えをご検討の場合には、貴社条件にてご確認をお願い致します。

試験データ（環境・物性・耐候性・性能 など）

インキ	PET（MOF）9007HL 高濃度白
希釈溶剤	テトロン（MOF）標準溶剤
刷版	T-270
基材	125µm未処理PETフィルム
乾燥	100℃60秒の加熱乾燥後、室温で1日放置

試験項目	試験方法	結果
接着性	クロスカットセロテープ剥離試験	100/100 合格
硬度	JIS K5400 8.4 鉛筆硬度試験	H～2H
耐候性	サンシャインウェザーメーター 700時間	異常なし
耐アルコール性	99.5％エタノール ラビング50回	異常なし
耐アルカリ性	NaOH 5％水溶液 48時間浸漬	チョーキングあり
耐酸性	H2SO4 5％水溶液 48時間浸漬	表面少し白化
耐油脂性	ハンドクリーム（花王ニベア） ラビング50回	異常なし
耐摩耗性	消しゴム（ライオンPL-50） 荷重500g 往復500回摩耗	若干傷がつく 接着性異常なし

等級	色名
5	9005金赤
6	9003HL青黄
	9018紅
	9075グリーン
	9085HL群青
6-7	9002黄
7	9008HL赤
	9035HL浅葱
7-8	9006金赤
	9013青黄
	9014黄
	9016HLピンク
	9025紫
	9028Jオレンジ
8	9045HL濃藍
	9046HL藍
	9075グリーン
	9092HL黒

• 一般に調色品は原色よりも性能が低下します。
  特にスモーク色や淡色などは、大幅に低下しますので、注意して下さい。

• ご使用に際しての安全上の注意事項に関しては、製品の安全データシート（SDS）をご参照下さい。
• 当インフォメーションに記載されている内容は予告無しに変更・改訂する場合があります。
• この特性データは、弊社の実施した評価結果に基づくもので、お客さまのご使用時の製品特性を保証するものではありません。
• 使用の際は、実際に使用される装置及び被着材での評価結果に基づき、条件を十分ご検討の上、ご使用下さい。